こんにちはタカハです。
今回は初の本の要約記事です!
通勤中に本をずっと読んでいるタカハが、ためになった本を紹介していきます!
記念すべき第一回目は
岡田 尊司 (著)の「ADHDの正体―その診断は正しいのか―」です。
タイトル:ADHDの正体―その診断は正しいのか―
著者:岡田 尊司
出版社:新潮社
精神科医である著者が大人のADHDの誤診や、ADHDの歴史についてまとめた本となっています。
私自身、20代になってからADHDと自覚したため、本当にADHDか疑いながら読みました。
本の中で、「擬似ADHD」という言葉がでますが、私はそれに当てはまっている可能性があると思いました。
また、ADHDとは別の障害の可能性を自覚できました。
(これが凄く大事)
著者がセカンドオピニオンとして診た、女子大生や退職男性の体験談や、海外の研究結果を基にしているため信頼性が高い内容となっています。
医学的な話もあり、読むのが難しい部分があります。しかし、表やグラフもあるため、おおまかな理解には問題ありませんでした。
この本を読むメリット
- ADHDについて詳しくなる
- 自分の本当の障害を知るきっかけになる
- 子供のADHD予防策を身に付けられる
- 診断の質を上げられる
「自分の本当の障害を知るきっかけになる」
この本の中でも言っていますが、生きづらさの原因がADHDではないのにADHDの薬漬け治療になるのは恐ろしいことですよね。
また、ADHDの基準が緩くなっていることもこの本で紹介しています。
そのため、医師だけでなく自分でも生きづらさの正体を考える必要があります。
※医師に頼ることを否定している訳ではないです。むしろ、積極的に頼るべきだと思います。
この本を読んでADHDの実態を知ってから、診断してもらうことで気づくことは変わります。
これから診断を考えている方は、この後紹介する内容も含めて本の購入を検討してみてください。
本の要約:「大人のADHD」は発達障害ではない?
この本の目次
- 緩められる診断基準
- 「大人のADHD」は発達障害ではない?
- 矛盾だらけの「ADHD」
- 症状診断の危うさ
- 薬漬け治療の実態
- 覆った仮説
- 見えてきた発症メカニズム
- 苦しみの真の原因は
- 回復と予防のために
この記事では、"2.「大人のADHD」は発達障害ではない?"のみ要約していきます。
大人のADHDは、子供のころADHDではなかった。
大人になってからADHDと発覚した人のほとんどが、子供の頃ADHDではなかった。
これが、この章の結論です。
ADHDは神経発達障害のため、大きく成長する幼少期から始まる問題です。
遅くとも5〜8歳には発症します。
そのため、ADHDの診断では幼少期の経験を聞き、幼い頃から不注意性や多動性が強かったかを確認しています。
(私は、はしゃぎ過ぎて電車の窓にヒビを入れた経験を語りました...)
しかし、本人の記憶では曖昧で正確な情報ではありませんでした。
そこで、ニュージーランドにて以下のような実験が行われました。
1037人を対象に、3〜38歳まで定期的に、健康状態、行動を調査。
調査の内容は、チェックリストだけでなく、一日がかりで面接や検査も行う。
7〜13歳までは、親や教師にもチェックリストを記入させた。
このような研究を「コホート研究」といいます。
この研究で、曖昧だった幼い頃の情報を正確に取得できました。
(黒歴史も正確に取得されそうで、ちょっと嫌ですね笑)
そして、気になる研究結果がこちらです。
12歳までにADHDと判断されたのは61人
38歳の時点でADHDだったのは31人
「え、大人になると半分くらいに減るのか」っと思いますが。
もっと減っています。
38歳の時点でADHDだった31人の内、子供の頃にADHDと判断されたのは3人のみです。
28人は子供の頃はADHDではなかったのに、大人になってから発症した人です。

38歳でADHDの人の内、9割は大人になってからの発症でした。
(あれ、ADHDって幼少期から発症のはずでは...)
また、それ以外にも
「子供からADHD」と「大人からADHD」で以下のような違いがありました。
子供からADHD | 大人からADHD | |
行動の深刻具合(※1) | 健常者とあまり変わらず | かなり深刻 |
WAIS-Ⅲの結果 | 言語理解、処理速度が苦手
知覚推理が得意 |
言語理解、処理速度は平均的
知覚推理に相当する知覚統合が苦手 |
男女比 | 男性が多い | 男女差はあまりない |
(※1)「忘れ物、失くし物によって時間を無駄にしている」などの項目にどれほど困っているかを確認した検査。
(本にはグラフがありましたが、それを貼るのは著作権的に問題ないか不安なのでやめておきます)
ブラジルとイギリスのコホート研究の結果もこの本では説明されていましたが、
ニュージーランドの研究と同じ結果でした。(大人のADHDのほとんどが、子供の頃ADHDではなかった)
また、ブラジルの研究結果では、大人のADHDは半分以上が全般性不安障害、社交性不安障害、うつ病、双極性障害を併発していました。
そのため、精神的な障害によって発症している不注意や多動性をADHDとして判断した可能性があると著者は考えています。
これらの結果から、
大人になってからADHDと判断された人は、発達障害ではない可能性がある。
とはいえ、生活に苦労している事実は変わらないため、ADHDではないとしても治療する必要があります。
でも、ADHDでないならば一体何なのでしょうか。
っといったところで"2.「大人のADHD」は発達障害ではない?"は終了します。
この後も、「ADHDは本当に遺伝が関係あるのか」や、「ADHDではなく愛着障害の可能性」、予防策などをこの本では説明しています。是非読んでみてください。
まとめ
「ADHDの正体―その診断は正しいのか―」いかがだったでしょうか。
「大人のADHDの9割りが、発達障害ではない可能性がある」
中々衝撃的な内容でした。
この本には、9つの章がありますが、今回紹介したのは1つだけです。
この後も、衝撃的な内容が多いです。
そして、私が1年振りにメンクリに行ったことや、セカンドオピニオンを決めたのはこの本がきっかけです。
この本を読まなければ、自分がADHDかどうか疑いませんでした。
もしかすると私の人生を変える本かもしれません。
もし、興味が湧いた方は是非読んでみてください。
タイトル:ADHDの正体―その診断は正しいのか―
著者:岡田 尊司
出版社:新潮社